正当防衛、殺人で無罪?嘘みたいな本当の事件。これはどちらも被害者だよ!

世の中には小説に書いたような、とんでもない事件があります。

逆にこんなことを小説に書いても、嘘くさくて物語にもなりません。

正当防衛と言うことばは、誰でも知っていますね。

でも実際に正当防衛とはどんなものか?

具体的な事件がありましたのでまとめました。

英国騎士道事件

 

あなたはこんな事件の話、聞いたことはありませんか?
だいぶ昔の事件ですけど、興味深かったので紹介します。

ただし私の主観もかなり入っていますので、勘違い等ありましたらご容赦下さい。

【事件の概要】
イギリス人の被告が、酩酊している女性を助けるため・・・
男性に回し蹴りを加えて、死亡させたという事件です。

実は知り合いの女性を、介抱していた男性が暴行しているものと勘違いして
イギリス人の被告が女性を助けようとして、男性を死亡させたのもでした。

冗談で「ヘルプミー」などと叫んでいた女性を、
英国人の被告が、騎士道精神で助けようとして起こった、悲劇と言って良い事件です。

 

気の毒なのは被害者、加害者の双方です。

被害者は女性が酩酊したために、介抱していたところ勘違いされて殺害。
一方加害者は、
助けを求めていた女性を救おうとして、被害者を殺害したものです。

女性が冗談にも「ヘルプミー」など叫ばなければ、起こり得なかった事件です。

他人事とは言え気の毒一言に尽きます。

正当防衛とはどんなものか

事件の概要は以上ですが、裁判で何が争われたかというと正当防衛についてでした。
多分それで、判例100選という判例集に掲載されていたのだと思います。

正当防衛の構成要件というものは、
自分や他人が、危害を加えられそうになった場合。

自分または他人の権利を守るために反撃しても良いというものです。

確か一審では、正当防衛が認められて無罪になりました。
そして二審の高裁では、傷害致死罪に問われましたが、
過剰誤想防衛が認められて刑が軽減されたというものでした。

 

少し正当防衛について、私流の解釈で考えてみたいと思います。
正当防衛とは
自分の身に降りかかる火の粉を払うためには、相手に危害を加えても良いということですね。

ただし防衛の意思がなければいけません。

ですからテレビドラマでよく有るような設定、
襲われて身を庇っているうちに相手を殺害してしまったという事案。

防衛の意思はあるので、ほとんど殺人事件にはなりませんよね。
だから逃げる必要は、まったくないわけです。

もっとも、逃げなければドラマにはならないわけですが・・・。

 

正当防衛になるためには、防衛の意思が必要になるといいました。
もし殺すチャンスをねらっていて、
偶然持っていた凶器で殺害してしまった場合なんかはどうなるのでしょうか?

傍目には正当防衛としか見えませんよね。
普通個人の内心なんか、誰も分かりませんし本人しか真意は分かりません。

その場合は、外形を見て判断されることになると思います。
ふだんから凶器を持ち歩いている人などいません。
もし凶器を持っている時は、やはり正当防衛は認められづらいと思います。

ではどんな場合、罪になるのか

 

刑法では罪に問えるのは構成要件に該当する行為、つまり殺人罪なら人を殺したとする外観。
その行為に違法性は有るのか
例えば医師がする手術のような治療行為は傷害罪の外観はありますが罪には問われません。

そして罪を犯した時に責任能力が有ったかということです。
一四歳未満の子供は罪に問われませんよね。

 

ですから英国騎士道事件でも、一審では正当防衛が認められたわけです。
つまり加害者は
女性が助けを求めていると勘違いして、回し蹴りをして女性を救ったと思っていたわけです。

つまり加害者は、正当な行為をしたわけですから違法性がないということです。
ですから誤想防衛ということになります。
それで無罪の判決が出たわけです。

 

しかし二審の判断は違法性はないが、責任は有るということです。

間違って、相手に攻撃を加えたことは罪に問われなくても、
防衛も限度を超えて、危害を加えてしまったということですね。

結果、傷害致死罪に問われましたが
誤想過剰防衛が認められて刑法三六条(正当防衛)2項で刑は軽減されました。

こんな嘘みたいな事件二度と起きてほしくないものです

しかし被害者加害者双方とも、気の毒な二人ですよね。

被害者は好意で、
酩酊していた女性を介抱してあげていたのに、女性の冗談から悲劇が起きたなんて。

もっとも、女性にしたところで
自分の悪ふざけが原因で、こんな悲劇が起こるなんて予想もしていなかったことでしょう。

 

加害者の英国人にしても、
まさか悲鳴が、悪ふざけであげてものなど夢にも思わなかったはずです。

たまたま加害者の英国人が、女性がふらついて尻餅をついたのを誤解してしまたのです。

ですから男性に
暴行を受けていると、勘違いしてしまったのも無理からぬ状況だったのでしょう。

誰が悪いというわけではありませんが、
こんな小説にも書けないような、嘘っぽい事件が実際に起こってしまうのですね。

 

こんな冗談みたいな、悲劇は二度と起きてほしくないです。

わたしの法律の解釈が、正確かどうかは分かりません。
もし誤りがありましたらご容赦おねがいします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。